
新鮮なレタスとブロッコリーに蟹を和える ジュンの好物だ メインは若鳥の丸焼きで何回もバターを
塗り重ねて仕上げていく パリパリの皮が美味しいの ジュンは冷たいビールを飲みながら待っている
私は編み物や縫物の類はからっきしだけど 料理だけは好きで良かったわ 細かな行程も苦にならない
料理はセンスと科学だもの 想像力も駆使できるから楽しいわ 彼の喜ぶ顔のおまけ付きだしね
彼はまだ私の存在に飽きてはいないと思う 今のところはね 男は即物的で狎れと怠惰に流されがち
そうなったら私の恋も終わる それでも残念だし未練だってあるけれど 恋の寿命は儚いのよ
だからこそ貴重なんだわ それが垣間見えたらお別れよ 私の総てをかけて貴方を愛したのに・・
貴方はきっと訳も分からずに 空腹を抱えながら呆然とするんでしょうね 可哀そうだけど仕方がない
私だって傷付かない訳じゃないのよ もっと女というものを学んで欲しいわ 分かる時は来るかしら?
ジュンの綺麗な眼と 贅肉など微塵もない鍛えられた美しい躰も 凄く好きだったのに 寂しくなるわ
いずれは来るその日だけれど 私は痛切に願っているわ 一日でも長く続きますようにと・・・